前回のエントリーでTime MachineとTime Capsuleの問題を書きまくったら、呪いのように書いてる最中にTime Capsuleがつながらなくなりました。Time Capsuleの温度上昇によって出る不具合が順番に出たので、冷やすために電源ぬいてそのまま一晩放置。そして設置場所をリビングの風通しのいいところに変更しました。
しかしマウントできません。まったくマウントできません。Time Machineがぜんぜん「準備中」から進みません。"/var/log/system.log"を見ると、バックアップボリュームをマウントしようとしているのですが、マウントできたというメッセージは出ていません。エラーも出ていないので、ひたすら待っているような状態。
Time Machine開始でのバックアップボリュームのマウントは一度成功すると切れても再接続を行い、再接続でつながらない場合には何度か接続を試して一定回数以上でエラーとしています。そしてその間の再接続試行やその失敗はすべてsystem.logにログが残ります。しかし最初からまったく接続できない場合には、ひたすら待っているようです。バックアップボリュームのサーバ(うちの場合はTime Capsule)自体がない場合はTime Machineは動かないのですが、中途半端に存在が見えているので接続を試みようとしているのでしょう。
この時の室温は27℃。この気温でこんな状態では、これからの夏は乗り切れるどころか入ることもできません。もうあまりにひどいので、Appleのサポートに持っていく方針にしました。その前に原因の切り分けのため、バックアップボリュームが壊れた可能性を切り捨てるために思い切って、これまでのバックアップデータを削除し、新規にバックアップボリュームを作成。200GBぐらいのUSB HDDがあればTime Capsuleにつないでバックアップデータをそこにアーカイブできるような機能もあるようですが、HFS+にフォーマットしなければいけない気がするし、それだけ丸々パーティションを作れるHDDも手元には余っていません。ここは「『漢』と書いて『おとこ』と読む!」とか叫びつつ、3/9からのバックアップを全部消去、AirMacユティリティで初期化してしまいました。
そしてMacBook AirをEthernetの有線接続して、ついでに"/Library/Preferences/com.apple.TimeMachine.plist"を消去して初期バックアップを開始。バックアップボリュームは作成され、今度はマウントされてバックアップが開始されました。
今回はTime Capsuleの温度をはかりつつ、温度ごとの状況変化を確認することにします。温度計測は寒暖計とも呼ばれる、壁掛けの普通のアルコール式のガラス温度計(笑)。こういう機器の温度をはかるような物を持っていないので、しかたなくこれで計測します。Time Capsuleの天板の中心にあるアップルマークに、温度計の下にある赤いアルコール溜まりのところを当てて天板部分の温度を測ります。Time Capsuleの温度は中心よりも電源などがある後方部の方が熱そうなのですが、プラスチック部分よりも中心のアップルマークの方が熱伝導がいいのか熱いのでここで計測することにします。
また、瞬間の転送速度(MacBook AirからTime Capsuleへの送信データ転送)の計測はアクティビティモニタを使用します。アクティビティモニタはMbyte/秒(MB/s)で表示されますが、ここでは感覚的にわかりやすいようにMbit/秒(Mbps)で記載していきます。データ送受信のボトルネックにならないように、いちおうNorton AntiVirusのAuto Protectを無効にしておきます。(あんまり影響はないと思いますが)
バックアップ対象は40GBちょっと。ホームディレクトリを入れると60GB弱あるのですが、ログインした状態では初期バックアップでもホームディレクトリはバックアップされないので、OSやらアプリやらVMwareの仮想ディスクで40GBちょっととなっています。
「室温27℃、天板温度44℃」
バックアップを開始して、すぐに天板温度は44℃に。この時点で転送速度はほとんど0です。ときどき100kbpsぐらいの転送が行われますが、まったくデータが流れていない時間も多いです。瞬間的な最大転送速度は1.1Mbpsでした。この時にはAirMacユティリティでTime Capsuleを表示しようとすると、見つかりはするのですが手動設定ボタンを押して構成を表示しようとしてもタイムアウトでエラーとなりました。今回の上の写真はこの時のものです。
system.logを確認すると、バックアップボリュームが切断されては再接続を行うということを繰り返しており、これではバックアップのためのデータがろくに流れるわけがありません。結局、7時間後にエラーでTime Machineは停止しました。
「室温24℃、天板温度35℃」
再度のTime Capsuleのディスク消去を行い、今度はエアコン(17℃設定)をつけ、さらにTime Capsuleに扇風機を当てて完璧なる冷却をしながらのTime Machineバックアップを行いました。天板温度は35℃以上には上がらず、8~13Mbpsでデータ送信が行われました。最低でも2Mbps、瞬間的な最大速度は33Mbpsです。快調です。AirMacユティリティの手動設定ボタンを押した時の構成表示も7秒で表示されます。
「室温25℃、天板温度43℃」
温度による動きの変化を見るため、エアコンと扇風機を止めました。天板温度はみるみる上がり、43℃時点での速度は3~8Mbpsと全体的に落ちていってます。最低速度は200kbps程度、瞬間最大速度は23Mbpsでした。
部屋の温度はそれほど上がってなくても、冷気を当て続けないとTime Capsuleの温度は上がり、性能はどんどん落ちていきます。
「室温26℃、天板温度44℃」
速度は1~5Mbps、最低速度は50kbps、瞬間最大速度は9Mbpsまで落ちました。
「室温26℃、天板温度45℃」
速度は0.1~1Mbps、ほとんどデータが流れない時間も出始めました。瞬間最大速度は2Mbpsです。ここまでくると使い物にならない速度です。
「室温26℃、天板温度46℃」
速度は0~150kbpsまで落ちました。瞬間最大速度は1Mbpsです。もういつ止まってもおかしくありません。この時にAirMacユティリティで構成を表示しようと手動設定ボタンを押しても、6分後にエラーとなって表示できませんでした。
「最終的に」
瞬間最大速度が100kbps程度しか出なくなったところで、またまたエアコンと扇風機でTime Capsuleの冷却を始めました。温度が下がるごとに通信性能が上がっていきます。
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これは天板温度が44.5の時の通信速度です。赤い線がMacBook AirからTime Capsuleへの送信データ通信速度です。 |
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これは天板温度が44℃から42.5℃に落ちていった時の通信速度です。見事に速度が上がっていっています。 |
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天板温度が35℃まで落ちました。瞬間最大速度も36Mbpsと高く、平均の速度も10Mbps以上になっています。
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そして部屋の温度は22℃、天板温度は35℃で安定。途中、温度が上がっていてほとんど通信してなかった時間含めて、40GBほどを11時間かけてバックアップが完了しました。平均転送速度は11.5Mbpsほどだったことになります。
バックアップが終了して4時間ほどたった時には、32℃になっていました。この時点で部屋の温度は18℃、冬の気温に比べれば暖かいですが、この季節としては体感温度はまるでコンピュータセンターのサーバールームのように寒いです。これだけ室温が低いと通常稼働時の温度はそれほど上がらないようです。
冷やせば動くことが確認できたことと、使えないレベルに落ちるのは極端に高温時の44℃以上ということもあって、Appleのジーニアスバーに持っていくことについては、この時点では少し弱気になっていました。
「そして…」
これで終わりになるはずだったのですが、また次の日にTime Machineのバックアップがエラーとなりました。system.logを見ると、バックアップ開始後10分ほどでTime Capsuleのバックアップボリュームの切断が発生し、接続のリトライをひたすら続けていました。そして10数分後にタイムアウトでTime Machineがエラーで停止です。
もう我慢できなかったので、Appleのジーニアスバーに持っていくことにしました。今度は予約をとって、修理に預ける覚悟でゴー。
ジーニアスバーでは予約時間より少し前に着きましたが、手が空いたスタッフがいたので早めに見てもらうことになりました。その場で電源を入れ、AirMacユティリティで接続できるかの確認などをします。冷えてる時には問題なくつながるので、この場で不具合の確認ができるとは思っていません。家で問題が出ていた時のログを見せて、それで問題説明。スタッフは「Time Capsuleは温度でこうなるのはよくあるんですが、購入3ヶ月でこうなるのはちょっと早すぎですねぇ」てなことを言ってます。私は製品の出荷開始半月程度で手元にきているので、私のより長く使ってるといっても大差ないと思うのですが、半年とか1年程度でこうなるのは当たり前なんでしょうか…
そしてあっさり新品交換とあいなりました。通常ならこれまでのバックアップデータをどうするかという問題で簡単には新品交換にも応じられないはずで、スタッフもそれについて気にしていましたが、私はすっぱりと過去のデータを消去しているので気にしません。リセットボタンで設定を消して、あっさり新品交換です。
そして新品交換のために在庫確認待ちの時にデータ消去のためにTime Capsuleにアクセスしようとしたら、AirMacで見つからなくなりました。ジーニアスバーに設置された他のTime Capsuleばかりです。リセットしても見えません。まさか不具合をスタッフの目の前で見せることができるとは思いませんでした。たいして温度上昇してないのに、いきなり不具合出た理由は不明です。
それより気になったのは、私のTime Capsuleに無線LAN接続しているだけなのに、ジーニアスバーにある4台のTime Capsuleが私のAirMacユティリティに見えたこと。TCP/IP的にはまったくつながっていないのに、いったいどうやって存在が見えているのでしょうか。他の無線LANへのブロードキャストなんて聞いたことないし、私のTime Capsuleが他のTime Capsuleと無線LAN拡張でつながったことも設定内容から考えづらいです。これってうちのそばでAirMacユティリティで探すと見えちゃうということなのでしょうか? けっこう怖いです。その場では気付かず、これを書いてて気付きました。
考えられるのは無線LANのSSIDが公開されているTime CapsuleはそのTime Capsule名まで見えることです。それならSSIDを非公開にしとけば安心ですが、動作確認できないので不安です。
(追記:これはAppleのZero Configuration技術であるBonjourが有効になっていたためですね。Time CapsuleでBonjourによる公開を無効にしておけば、きっと周辺からは見えないと思っておきましょう。)
「ただいまお試し中」
この新品交換で期待するのは、3ヶ月たって製品にこっそり改善の手が入ってないかということ。細かなデータは取りませんでしたが、動作は私がもともと使っていたのと少し変わっています。
まず動作温度ですが、これはほとんど変わりません。初回バックアップ時には46℃まで上がります。しかし温度が上がっても通信速度の劣化は大きくはありません。46℃でも8Mbps前後までしか落ちず、10~13Mbps程度で通信してくれます。瞬間的な最高速度は30Mbpsが何度が出ています。
これで全体的な速度が上がったのかと期待してエアコンで冷やしてみました。38℃でだいたい20~30Mbps程度の通信です。瞬間最大速度は60Mbpsでした。まぁまぁ速いのですが、一般的なNASに比べるとまだ半分ぐらいの性能です。それでもこれだけの速度が出ると快適です。40GBのバックアップが5時間ほどで終わりました。
ついでにNASとしての速度を測るため、Time CapsuleにNAS接続をしてファイルコピー時間を計測。平均するとだいたい35Mbpsぐらいです。瞬間的には60Mbps。有線LANだと「かなり遅いNAS」ですが、これをTime Capsuleの5GHzの11n/a無線LANにすると10~20Mbpsに落ちます。さすがにこれではNAS代わりは無理で、せいぜい一時的な置き場所程度です。NASとしての性能については、もともと使っていた物の方が瞬間的には速かったと思います。しかしもともと使っていた物も30秒ごとぐらいに通信しない時間が2秒ぐらいある「息継ぎ現象」があったので、平均的な速度は遅いという症状がありました。このあたり、熱耐性を強めつつ、全体的な性能はそれほど変えないというチューニングが製品に行われたのかもしれません。
このまま安定して動くのか不安な毎日ですが、これでしばらく様子を見ます。いっそもう一回交換になって、別の個体では別の性質が出ないかチェックしてみたい気もします。(笑)
(6/27追記:交換したTime Capsuleは安定して動いており、それにともなってMacBook Airも安定稼働するようになりました。これまではいつまでも終わらないTime Machineが気になって原因調査とかし始めちゃいましたが、今は一瞬で終わるので気にならなくなりました。しかしこのTime CapsuleもNAS性能がかなり遅いので、これまた製品としては当たりが悪かった気がします。他のブログや雑誌記事では有線接続なら70Mbpsぐらいの転送速度が出てるみたいなのに、うちでは1GBファイルの転送で35Mbpsぐらいしか出ませんから。もうめんどくさいのとTime Machineの安定稼働の方が優先されるので、交換は見送りますけどね。)
もし「うちのTime Capsuleは遅いんじゃないか?」「Time Capsule使っててTime Machineがよくエラーになる」ということがあるのなら、Time CapsuleをNASとして接続して1GB以上のファイルをコピーして負荷を高め、それでAirMacユティリティの手動設定ボタンを押して構成が表示されるかを確認してみるといいかと思います。これでAirMacユティリティでTime Capsuleが見つからなかったり、構成画面が1分たっても表示されない場合は熱問題です。Time Capsuleを熱のこもらない場所に設置し、天板の上に物を置いたりしていないのでしたら、通常使用には耐えないといえます。これだけの条件が揃えば、交換に応じてもらえると思います。