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2008/06/08

タイムマシーンにお願い「Time MachineとTime Capsuleと不具合」

Timecapsuledatatransfer_3MacBook Airを使っていて、もっとも思い通りに動いてくれないのがTime Machineです。3/9からTime Capsuleを使ってTime Machineによるバックアップを続けていますが、だいたいスケジュール通りに動いていても、ときどきおかしなことになって作業の手を止めてしまったりします。ほとんどはMacBook Air自体が止まるわけでも重くなるわけでもないのですが、タスクバーでTime Machineのアイコンがいつまでもクルクル回ってたりすると、仕事からの現実逃避でつい調べ始めてしまいます。

そのうえ、5/30にMacOS Xが10.5.3にアップデートされ、入れ替わったファイルが大量に出たことでTime Machineも大騒ぎ、合わせてSpotlightの検索index作りも大騒ぎで、ずいぶん安定したと思っていたTime MachineとTime Capsule環境がまた不安定というか、いろいろ悩ましい問題が出始めています。

私のところで起こっているTime Machine関連の問題は、あちこちのブログや掲示板でも出ている、ありふれた以下のような事象です。

  • Time Machineのバックアップがひたすら遅い。
  • 準備中が延々と続いて、バックアップが終わるどころか始まる気配がない。
  • Time Capsule上のバックアップボリュームがマウントされるとSpotlightの検索index作成が始まり、冷却ファンが轟音を立て始める。(mdsとmdworkerというプロセスが元気よく動き、CPUをそれだけで30%ほど使う)
  • Time Capsule上のバックアップボリュームがマウントされない。(「バックアップが開始されない」とか「Time Machineに入っても過去のデータが見えない」)
  • Time Capsuleが熱暴走する。
  • バックアップが開始されないだけではなく、Finderが大量のCPUパワーを使い、その上、温度がどんどん上がっていき、MacBook AirのCPUの1コアが停止する。(ただし1コア停止は死んだのではなく、エアコンで部屋を冷やすなどでMacBook AirのEnclosure温度が40℃未満に下がれば、CPUの負荷が高いままでも停止した1コアは再度動き出す)

これら問題でめんどくさいのが、Time Machineの動作とTime Capsuleの安定性とSpotlightの仕様、そして最後にMacBook Airの動きが相互関連して発生するので、問題が出るたびに原因を探すことになります。何度もやってると対応もパターン化してきました。

「バックアップがひたすら遅い」
Time Machineのバックアップ、特にTime Capsuleを使っていると、あまりの遅さに信じられなくなります。転送速度はデータ転送が行われている「準備中が終わって転送が開始されてからバックアップが終了するまでの時間」と「Time Machineで表示されるバックアップ量」から計算すると、11nの無線LAN接続だとせいぜい2Mbpsぐらいしか出ていません。

Time Capsuleは無線LANを使っているとNASの転送速度が落ちることが実験でわかっているのですが、それでも20~30Mbpsぐらいは出ます。さすがに2Mbpsというのは遅すぎです。

これについて少しわかってきたのが、バックアップを行うためにバックアップ対象データ以外にかなりのデータがやりとりされているらしいということです。今回貼ったキャプチャは100MBのTime Machineバックアップを行った時のEthernet上を流れたデータ量です。まだデータが流れていますが、ちょうどバックアップが終わった時のキャプチャです。また、Time Machineのバックアップ開始時にEthernetアダプタを接続しており、他のデータアクセスはいっさいしていないため、このTotal In/Outのデータのほぼすべてが、Time Machineのバックアップのためのデータとなります。バックアップ対象が100MBにもかかわらず、MacBook Airに入ってきているデータ量が544MB、MacBook Airから出ていっているデータ量が444MBです。つまり転送が開始されてからもバックアップ対象の10倍ものデータをやりとりしていることになるわけです。バックアップ対象のサイズから計算した時の転送速度は2Mbpsでも、実際のデータ量が10倍なら20Mbpsとなります。これだとTime CapsuleのNAS性能とだいたい同じになります。前回バックアップとの差分を抽出してバックアップ対象を選定するのは「準備中」のフェーズで終わっているはずにもかかわらず、いったいなにをやりとりしているのでしょうか。ともかく、このように見えないデータのやりとりのためにTime Machineのバックアップは遅いと思われます。
(6/13追記:その後、通信速度を調べるためにTime Machineバックアップ中のネットワークのデータの流れを監視したところ、Time Capsuleに出て行くデータとMacBook Airに入ってくるデータが同じぐらい流れるという事象は出ていませんでした。上記のバックアップの時にはNorton AntiVirusのAuto-Protectが動いていたので、なんかしていたことも考えられますが、通信時にボトルネックになることは考えられてもデータ量が増えるというのは考えにくいです。他になにも作業をしていなかったので、この時にデータ量が増えた原因は不明です。うちのTime Machineが遅い原因のひとつとしては、こちらのエントリーでTime Capsuleの発熱による性能劣化を疑っています。)

「準備中が続いて、バックアップが始まらない」
ほとんどの場合、ほんとに準備のための作業で時間がかかっているだけです。バックアップボリュームがマウントされ、エラーが出ていないようなら一晩だろうと待つ覚悟で放置します。エラーはコンソール.appの「コンソールメッセージ」ウィンドウ、もしくは"/var/log/system.log"をターミナルで見ることでわかります。なお、"Waiting for Spotlight to finish indexing ~"は何度も出てますが、これはエラーではありません。

backupdが出すメッセージやFinderによるバックアップボリュームのマウント関連のメッセージで、バックアップに関係ありそうなエラーが出ている場合には、システム環境設定のTime Machineからバックアップ停止を行います。停止してから「今すぐバックアップを作成」を実行し、エラーが出ないかを確認します。

バックアップボリュームがマウントされていないようなら、Time Capsuleの問題が考えられるのですが、運悪くマウントできなかっただけのこともあるので、バックアップ停止→今すぐバックアップ作成を行って様子をみます。やはりマウントできない場合、Time Capsuleが熱暴走しかかっていることが考えられます。その話は後述する「バックアップボリュームがマウントされない」で。

「バックアップボリュームがマウントされると、冷却ファンが轟音を立て始める」
Time Machineによるバックアップを始めた頃やMacOS Xのアップデート後など、バックアップしたてのデータがバックアップボリュームに多い時には、Spotlightの検索indexを作るため、Time Machineが動いてなくてもネットワークアクセスがかなり発生します。これにはmdsとmdworkerというプロセスが動いており、長時間の間、CPUを30%ほど使い、ネットワークアクセスによってAirPort Cardの温度も上がります。これによって冷却ファンが高速回転をし続けるわけです。検索index作成はむちゃくちゃ時間がかかり、うちの事例では10.5.3アップデート後のバックアップ対象は1.5GB、その検索index作成にはトータル24時間でも足りないぐらいの時間がかかっていました。(作っている最中の表示では平気で「あと60時間」とか出ますし)

夜中など使わない時も電源いれっぱなしにして、とにかく作成を完了させると、それ以後は大量バックアップがない限りは気になるほど長時間ずっと検索indexを作り続けるようなことはありません。

Time MachineでSpotlightをどの部分に使っているかは私にはわからないのですが、少なくともファイル単位のリカバリー時に探すのにSpotlightが使えます。これはまぁ使わない人は検索indexは作らなくてもいいのではないかと思うのですが、どうもバックアップ時の差分ファイル抽出の時にも使っている雰囲気があります。このために私はバックアップボリュームを検索index作成の対象外にできないのですが、10.5.3にアップデートされてからそもそもバックアップボリュームがSpotlightのプライバシー(検索index作成対象外の指定場所)に登録できなくなっている感じです。以前は登録だけはできて、マウントが外れると登録から消えてしまうというような動作をしていたと思います。
(6/13追記:Time Capsuleの問題からバックアップボリュームを消して作り直したのですが、それからはSpotlightがバックアップボリュームに対して作られなくなった気がします。バックアップボリュームがマウントされた時に検索indexを作るような動きはSpotlightがしているのですが、すぐに終了していますし、時間がかかっている場合もTime Machineのバックアップが終わってバックアップボリュームが自動でアンマウントされるのを妨害することもありません。10.5.2の時に作ったバックアップボリュームと10.5.3の時に作ったバックアップボリュームでは動きに違いがあるのでしょうか???)

「バックアップボリュームがマウントされない」
これは前述の通り、その時に運悪くマウントされなかっただけのことがあるので、再度試してみます。試す場合にはバックアップではなく、「Time Machineに入る」で過去ファイルを見るという方が即座に確認できます。これで過去のファイルが見えない場合にはバックアップボリュームのマウントを失敗しています。

何度やってもマウントしない場合には、Time CapsuleをNAS接続して、バックアップボリュームのディスクイメージをダブルクリックすることで手動でマウントしてみます。この際にはコンソールメッセージを確認しながらの方がいいでしょう。もしバックアップボリュームがマウントせず、なおかつコンソールメッセージに"com.apple.finder[140]: Unexpected reply from backup server - ignored"といったエラーが出ているようなら、Finderがすごい速度でCPUを使い始め、いずれは熱でCPUの1コアが停止、そしてEnclosure温度が41℃になったところですさまじい遅さになってほぼ操作不能になります。このようになったらDockでFinderをOption押しながら右クリックし、「再度ひらく」を選択してFinderを上げ直してください。

ここまでひどくなくても、それまでバックアップボリュームを問題なくマウントできていたのに、まったくマウントできなくなった時には、Time Capsuleが熱暴走していることを疑うべきでしょう。

「Time Capsuleが熱暴走する」
うちでは何度かTime Capsuleが熱暴走しています。この熱暴走がたちが悪く、いっぺんにすべての機能が使えなくなるのではなく、少しずつ機能が失われていくため、最初のうちは他の原因を疑っていました。何度かの熱暴走で経験的にわかったのは、Time Capsuleが熱くなるにつれて、以下の順番で不具合が出てきます。

  1. AirMac UtilityでTime Capsuleが見えなくなる。または見えるが、詳細設定の取得に失敗する。
  2. Time Capsule上のバックアップボリュームがマウントできなくなる。
  3. Time CapsuleにNAS接続ができなくなる。もしくは接続に成功しても、アクセスが使用に耐えないほど遅くなる。
  4. Time Capsuleとの無線LANが切断される。その前段階として、無線LAN速度が遅くなる。

Time Capsuleは底と天板から熱を逃がす構造になっているため、天板に物を置いているとすぐに熱暴走します。うちでは当初はTime Capsuleの上に雑然とDVDのパッケージとか置いていたのですが、4月の時点で熱暴走しました。現在では天板の上には何も置かないようにしているのですが、タイムリーなことに先ほど熱暴走して、今ではPC用に残していた11gの無線LANアクセスポイントで接続しています。

Time CapsuleはAppleの公式仕様で動作温度10℃~35℃となっています。これが動作した時の温度なのか保証される外部温度なのかはわかりませんが、動いている時に触るとあきらかに体温より高いため、40℃は超えているでしょう。本格的な夏に入る前にノートPCを冷やすような機器を導入して冷却手段を用意するか、エアコンの効いた部屋での運用を考える必要がありそうです。
(6/13追記:動作温度10℃~35℃は他のほとんどのApple製品も同じでした。Time Capsuleが特別に温度耐性が低いわけではなく、Apple製品すべてが低かったというわけです。他製品もということであれば、この動作温度は通常通りの意味の動作環境における外気温となります。つまり日本の夏はエアコンか扇風機なしには性能保証してくれないというわけです。(^^;)

Time Capsuleの熱暴走に関する情報は、このブログにもいろいろ載っています。
(6/13追記:私自身でも各温度における通信速度と性能劣化について調べ、こちらのエントリーに記載しました。)

「Finderが暴走してCPUを食いつぶす、CPUが1コア死亡する」
上に書いたような理由から発生します。

「Time MachineとTime Capsuleの総括」
正直、MacBook Airを使っていての不具合のかなりの発端がTime Capsuleを使ったTime Machineバックアップからきているようで、Time Machineを切っていると、MacBook Airのファンもほとんど高速回転せず、静かに使えます。実際、会社ではTime CapsuleがないのでTime Machineバックアップが行われず、実に快調に動いてくれます。

ではTime Machineをやめて、他のバックアップ方法をとるべきかというと、なかなか捨てがたい魅力がTime Machineにはあります。私がメリットと感じているのは以下の点です。

  • MacOS XインストールにTime Machineのバックアップファイルを組み込めるので、再インストールによる復旧が早い。OS設定さえも特別な処理なしに戻すことができる。
  • 削除したファイルも残っているので、間違って消したファイルの復旧をかなり過去にさかのぼってもできる。この「さかのぼって目的のファイルを探し出す」ことにSpotlightでの検索が使え、なおかつ直感的なインターフェースでファイルを戻すことができる。(差分バックアップ機能を持つバックアップソフトで削除ファイルの復旧はできるが、戻す時がたいへん)
  • Time Capsuleならバックアップタイミングを気にせず、常に取り続けてくれる。なおかつバックアップ中でも気にせずスリープに入れ、それでもバックアップファイルを壊すことはない。(次回のバックアップの時に整合性チェックでかなりの時間がかかって「準備中」がいつまでも終わらないことはあるけど)

Time Machineが他のバックアップツールと異なる点は、OS/アプリケーション/自分のデータの垣根のない差分バックアップ、そしてバックアップするにしても戻すにしても難しいことを考える必要のないところでしょうか。バックアップ技術としてはすでにある物を組み合わせて実現しているのですが、使う人が気にする必要のないように目隠しとなるような機能やパーツを用意したところが評価できます。

しかし、それがまた不具合を引き起こし、気になる点がいっぱい出ているのも事実。まだまだ成熟には遠い状態と思います。

ついでにFileVaultでホームディレクトリを暗号化していると、ログアウトした時でないとバックアップが取られないし、ホームディレクトリ内のファイルの一部だけを戻すこともFinderでバックアップボリュームから戻すファイルがある日付のフォルダ内にあるホームディレクトリのディスクイメージを手動でマウントして、そこからファイルを引っ張り出すという、おおよそ直感的とはいえない方法で戻す必要があります。ほんとにTime MachineとFileVaultはコンセプトレベルで相性悪いです。これって設定で「バックアップ先も暗号化するかわりにログアウト時にバックアップ(今の仕様)」か「バックアップ先は暗号化されないが逐次バックアップ(FileVaultしてても通常通りバックアップ)」を選択できるようにしてくれないかな。

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コメント

なるほど「クイズまるごとTheワールド2 タイムマシンにおねがい!」(PC-Engine CD-ROM^2)ですか……。

投稿: はだだ | 2008/06/09 08:15

わかっていて、わざとボケていらっしゃると思いますが、


「タイムマシーン」と伸びており、「お願い」と漢字になっているため、アメリカのドラマの方でございます。

もちろん、サディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」とも違います。(^^)

投稿: にしヤン | 2008/06/09 22:22

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